外壁塗装の費用相場ってザックリどれくらい?

外壁塗装を業者に初めて依頼すると「工事費用はどのくらいかかるのだろう?」と不安になるでしょう。

一般的な30坪の住宅で外壁塗装にかかる費用相場は100万円程度です。
上記は外壁のみの相場で、屋根塗装も一緒に行うのなら追加で40万円ほどが必要でしょう。

工事の見積り費用の例としては以下を参考にしてください。

30坪の住宅(外壁面積120㎡、スレート屋根面積90㎡)における費用相場

工事名 数量 単位 単価 金額
足場設置
仮設足場 270 架㎡ 990 267,300
養生・シート 270 架㎡ 460 124,200
屋根塗装
高圧洗浄 90 250 22,500
金属部の下地調整 27 190 5,130
さび止め 27 1,120 30,240
全体の下地調整 90 570 51,300
シリコン 3回塗り 90 2,580 232,200
縁切り 90 360 32,400
外壁塗装
高圧洗浄(付帯部含む) 150 250 37,500
シリコン 3回塗り 120 2,550 306,000
付帯部塗装
軒天の塗装 30 1,420 42,600
破風の塗装 45 m 770 34,650
小 計 1,186,020
諸経費 173,980
合 計 1,360,000

上記は外壁塗装工事の一例にすぎません。
外壁塗装の工事費用は、塗料や地域によって変わります。

あなたの家の外壁塗装工事が相場どおりになるとは限りませんので注意しましょう。

外壁塗装の費用の内訳を知ればもう騙されない

ザックリとした相場がわかったところで、外壁塗装工事に必要な費用の内訳を解説していきます。

外壁塗装工事の見積書には専門家でなければわからない項目が多いです。

悪徳業者に費用を水増しされないために、見積書の項目や内訳は理解しておきましょう。

外壁塗装工事の費用における内訳は3種類

外壁塗装工事の費用は以下の3つの要素から成り立っています。

材料費

塗料や補修材の費用です。
ローラーや刷毛などの塗装道具を含む場合があります。

工事費

足場、養生シート、ゴミ廃棄料金などです。
職人の人件費を含む業者もあります。

手間賃

業者の事務員や職人の人件費です。
3つの内訳のなかで最も比率が高いです。

上記の比率や相場を見積書から判別することは困難です。

なぜなら、見積書に記載されている単価は「材料費」「工事費」「手間賃」を合計した金額だからです。

見積書に「シリコン塗装(3回塗り)」という項目があった場合、

  1. シリコン塗料の材料費
  2. 塗装するために必要な道具の費用(工事費)
  3. 職人の手間賃

が含まれています。

依頼する側が知りたい情報は、費用の内訳ではなく全体的な価格や相場です。
そのため、業者の多くは工事部位や工程ごとに見積書を作成しています。

外壁塗装の費用を「材料費」「工事費」「手間賃」で分けて知りたい場合は、依頼時に業者に確認しなくてはいけません。

なお、上記の内訳は一例に過ぎません。
業者によっては以下のような内訳にしている例もあります。

  • 材料費(塗料+塗装道具)
  • 工事費(足場、現場経費、職人の人件費)
  • 一般管理費(事務所経費、販売促進費など)

外壁塗装工事には統一された基準がないため、上記の内訳は参考程度に考えておきましょう。

見積書に記載される項目の意味と費用相場

外壁塗装の見積書には「軒天」、「破風」、「諸経費」など、一見すると理解できない項目が目立ちます。

難しいからといって無視をすると、費用の水増しをされる危険性があります。
工事費用で騙されないように見積書の項目を理解しておきましょう。

仮設足場

外壁塗装をするために必要な足場を組み立てる作業です。
費用相場は1㎡あたり700~950円です。

養生(ようじょう)

塗ってはいけない場所に塗料が飛び散らないよう、マスキングテープやビニールシートで周辺を保護する作業です。

「養生シート」とは、塗料が周辺の住宅や車に飛ばないよう足場の外側を覆うシートのことです。
費用相場は1㎡あたり350~450円です。

高圧洗浄

塗装をする前に汚れた外壁を洗う作業です。
汚れた下地に塗装をしても短期間で剥がれてしまいます。

塗料を外壁に密着させるためには高圧洗浄が欠かせません。
高圧洗浄では依頼主の家にある水道を利用します。
費用相場は1㎡あたり150~250円です。

下地調整

外壁の塗装をする前に劣化した下地を修繕・ケレンする作業です。
「ケレン」とは、塗料が外壁に密着しやすいように外壁を削ったり、サビを落としたりすることです。
費用相場は1㎡あたり300~600円ですが、下地の劣化状況によって価格は変動します。

付帯部(ふたいぶ)

外壁と屋根の主要部分以外を「付帯部」と呼びます。
付帯部の例としては「軒天」「破風」「雨樋」などがあります。
費用相場は部位によって異なります。

軒天(のきてん)

バルコニーや屋根の下にある天井を「軒天」と呼びます。
費用相場は1㎡あたり900~1,400円です。

破風(はふ)

屋根の側面にある狭い範囲を「破風」と呼びます。
費用相場は1㎡あたり500~800円です。

雨樋

屋根から地面に雨水を流すためのパイプが「雨樋」です。
材質などによって価格は変動します。

板金

薄い金属を「板金」と呼びます。
屋根における板金部とは、頂点に取り付けられている金属部分などを指します。

縁切り

屋根が雨漏りをしないように雨水の逃げ道をつくる作業です。
スレート屋根を塗装すると雨水を排出する隙間が塗りつぶされてしまいます。

放置すると雨漏りの原因となるため、塗装後に縁切りをして隙間を作らなくてはいけません。
費用相場は1㎡あたり250~350円です。

諸経費

工事に必要な許可をとるための事務費用、職人の給料、業者の利益、ゴミ廃棄料、交通費、税金などが含まれます。

諸経費の内訳は業者によって違うため、ゴミ廃棄料や交通費は別項目にするケースもあります。

諸経費には多くの項目が含まれているため内訳をすべて載せることは困難です。

しかし諸経費の比率が20%を超える場合は内訳を尋ねたほうがよいでしょう。
諸経費のなかで高額な項目を業者が一覧にしてくれるはずです。

諸経費の費用相場は、全体工事価格の10~20%です。
諸経費の一部を他の項目に振り替えている業者もあります。

その際は諸経費が全体工事価格の3~5%程度となります。

調整額

外壁塗装の見積りは単価によって計算するため、中途半端な金額になりがちです。
金額が半端だとお釣りを用意する手間がかかるため、値引きしてでも端数を切り捨てようと業者は考えます。

端数を調整するから「調整額」というわけです。依頼主にわかりやすいよう「値引き」と書くこともあるでしょう。

調整額の費用相場は5万円以下と考えられます。

10万円以上の値引きをする場合は、当初の見積りを相場よりも高額に設定している悪徳業者の可能性があります。

上記の費用相場は目安でしかありません。
業者によって基準が違うため価格が上下する場合があります。

外壁塗装はDIYで費用を安くできるのか?

業者に依頼すると高額な費用がかかるため、予算が確保できないこともあるでしょう。
そんな人は「DIYで外壁塗装を行えば材料費だけで済むのでは?」と考えます。

「DIY」とは、ものづくりや修理を専門家ではない人が行うことです。
DIYで外壁塗装をすれば、業者に依頼する場合に比べて工事費用や手間賃が少なくなる可能性はあるでしょう。

しかし、外壁塗装をDIYで行うと業者に依頼するより費用が増えやすいことは知られていません。

塗装に失敗して業者に依頼しなおすことになる

DIYで工事をすると、塗装が短期間で剥がれてくるケースがあります。
外壁塗装は、国家資格が存在するほどに専門的な技術が求めらます。

技術が無い人が塗装をすると、何度塗り直しても短期間で剥がれるでしょう。
最終的には業者に依頼することになり、DIYの工事費用が無駄になります。

塗料が飛び散って賠償金を支払うことになる

DIYで外壁塗装をすると、塗料が近隣に飛散します。
塗料が飛ばないように作業をすることは、プロでも困難です。

十分な設備と技術がない人がDIYで塗装工事をすると高確率で近隣住宅や車に塗料が飛ぶでしょう。

被害状況によっては賠償金として数十~数百万円を請求されます。
DIYで塗装をしたのに業者に依頼したほうが安かった」と後悔するかもしれません。

業者が外壁塗装を行うなら、塗料が近隣に飛んだとしても依頼主に賠償責任がないため安心して任せられます。

屋根作業で大怪我をして治療費がかかる

屋根の塗装はプロでも危険な作業です。
足場を設置して安全帯などで安全を確保しなければ、落下して大怪我をするでしょう。

怪我をしてしまうと治療費が必要です。
入院となれば仕事を休まなくてはいけませんし、塗装も中途半端な状態で放置されます。

退院しても自分で工事をしようとは考えなくなり、最終的に屋根塗装を業者に依頼することになって費用が余計にかかるでしょう。

外壁塗装の見積りで注意するべきポイント

外壁塗装の見積書の注意点を知るだけで、悪徳業者に依頼するリスクを抑えることができます。
見積書では以下の点に注意しましょう。

見積書の数量が「一式」ばかりではないか

見積書の数量には面積が入ることが多いです。
業者によっては数量に「一式」という項目を入れている場合があります。

ゴミの廃棄料は一式でも自然ですが、外壁や足場の面積まで数量を記載していない業者は信用できません。
他社と見積りを比較して一式が多い業者は要注意です。

工事項目が少なすぎず具体的か

悪徳業者は見積りを具体的に記載するのが苦手なため、工事の項目が少ない場合が多いです。
項目が多ければよいというわけではありませんが、他社と比較して明らかに少ないと感じた業者には理由を尋ねるとよいでしょう。

塗料のメーカー名、商品名、樹脂名が書いているか

優良な業者であれば塗料の詳細を見積書に記載してくれます。
塗料のメーカー、商品名はもちろんのこと「2液溶剤シリコン樹脂仕上げ」のように樹脂名まで書いてくれます。

塗装面積と足場面積が同じではないか

外壁の塗装面積と足場面積が同じだった場合、悪徳業者と考えてください。
塗装面積と足場面積が同じになることは基本的にありません。

見積書で面積が同じだった場合は業者に理由を確認してください。

項目が二重で計上されていないか

同じ内容の工事なのに別名称で工事費用を計上している場合があります。
例としては、「付帯部塗装」があるのに「雨樋・軒下塗装」と記載されている場合です。

付帯部とは雨樋や軒下を含めた細部を指すことがほとんどです。
上記の両方が見積書に存在していた場合は「付帯部塗装」に何が含まれているのかを確認する必要があるでしょう。

【これで完璧】外壁塗装の優良業者を見つける2つの重要ポイント

悪徳業者に騙されると相場よりも高い費用で見積りを出されかねません。
工事のやり直しによって100万円以上の損失が出る場合もあります。

では、優良業者はどのように探せばよいのでしょうか?

重要な2つのポイントを解説します。

1、自社施工をしている会社に依頼する

ゼネコンや工務店は基本的に自社で塗装工事をしていません。
業者を選ぶ際は自社で塗装工事を行っている会社に依頼するのが賢明です。

ゼネコンや工務店は依頼を受けるだけで利益の何割かを抜き取り、塗装専門店などの下請け会社に工事を丸投げしていることがあります。

このため、工事自体は下請け会社が低価格で行っています。
価格が下がれば工事の質は落ちるでしょう。

塗装専門店に直接依頼して、ゼネコンや工務店が中抜きしていたお金を工事費用に回せば高品質な塗装が可能となるかもしれません。

他にもトラブルの際に問題が起こります。
下請け会社による塗装が不十分な場合、窓口でしかないゼネコンや工務店は責任を下請け会社に押しつけるケースがあります。

しかし、下請け会社と連絡が取れなくて結局は依頼主が困るという事態が実際に起こっています。
こうした事態を避けるために、自社施工をしている業者に見積りを依頼するのがおすすめです。

2、相見積もりをする

複数の業者に見積りを依頼することを「相見積もり」と呼びます。
外壁塗装工事の見積りは最低でも3社に依頼してください。

1社や2社だけだと、見積り金額が相場に対して適正なのか判別が難しいです。
3社であれば工事内容や金額を比較しやすく、失敗を避けやすいでしょう。

ただし相見積もりをする際は同じ条件で業者に見積りを依頼して下さい。
違う工事内容の見積りを手に入れても比較ができません。

自社施工の業者で相見積もりを行うのなら、見積り一括サイトを利用すると効率的に業者探しができます。

自分で1から業者を探す場合、電話帳やネットで調べるだけで何時間もかかるでしょう。
各業者が自社施工しているのか、口コミはどうなのかを調べるなら1日がかりです。

とはいえ、一括見積りサービスで紹介されている業者が工務店やゼネコンだったら意味がありません。

「ヌリカエ」という一括見積りサービスなら、自社施工をしている塗装専門店が登録されています。

ゼネコンや工務店に依頼して起こるような「下請けに連絡がつかなくて困る」といった心配もないでしょう。

塗装専門店から一括で見積りが取れるので、時間を無駄にしたくない人は利用することで楽に業者選びができます。

火災保険の利用で外壁塗装の費用を相場よりも安くできる可能性あり

火災保険を利用することで費用を節約して外壁塗装工事をできる可能性があります。

住宅の火災保険は、火災だけではなく強風による災害でも保険金が支払われます。
加入している火災保険の適用条件に「風災」が含まれていれば補償の対象となるでしょう。

火災保険は保険金を受け取っても保険料が上がることはありません。
積極的に活用したほうが得をします。

築10年の住宅であれば80%程度の確率で保険金が支払われます。
工事費用の全額が支払われることは珍しいですが、20万円が支払われるだけでも大きな節約となるでしょう。

火災保険を適用する際の注意点

火災保険は手続きの順番を間違えると適用できません。
適用条件を満たしているのに、手順を間違えたために数十万円が受け取れなかった」と後悔しないよう事前にポイントをおさえておきましょう。

被害にあった日から3年以内に申請する

風災は被害にあった日から3年以内に申請が必要です。
しかし、屋根の被害がいつ起こったのかなんてわからないでしょう。

強風や雨、雪というは3年に1回以上は発生します。
過去の気象データを調べることで、被害が風災によるものと立証することは難しくありません。

年月による劣化は対象とならない

自然災害による被害でなければ火災保険は適用されません。
築20年以上の建物だと、被害は年月による劣化だと保険会社に判断されやすくなって保険金が出にくいです。

新築の家で初めて外壁塗装をするのなら、築10年ごろを目安に保険を適用するとよいでしょう。

20万円以上の工事費用がかかる場合のみ適用

破損した部位の修理費用が20万円以上でなければ火災保険は適用されません。
ただ、住宅全面に対して行う外壁塗装工事で20万円を下回る例はほとんどありませんので心配はいらないでしょう。

火災保険の申請は業者に依頼する

火災保険を利用する場合、まずは業者に保険の相談をしましょう。
知識がないのに自分で保険会社に連絡してしまうと十分な金額の保険金が支払われません。

工事業者に依頼する前に保険会社に先手を打たれてしまうと、以降はまともに対応してくれないこともあります。

火災保険の申請を手伝ってくれる業者に依頼すると、資料作成や写真撮影など保険金の請求に必要な作業をサポートしてくれます。

火災保険だけに詳しい業者や、外壁塗装にだけ詳しい企業では、適切な保険金を確保することはできません。

保険金を最大限受け取るためには、火災保険の申請と外壁塗装の両方に詳しい業者に依頼しましょう。

火災保険の詐欺に注意する

業者によっては火災保険を不正に請求するケースがあります。
不正請求の手段としては「他人の家の破損写真を使って保険会社に申請する」などがあります。

保険会社に不正請求をすると、火災保険が2度と利用できなくなる場合があります。
不正請求をするような業者の特徴には以下があります。

  1. 訪問営業をしている
  2. 「無料で屋根を診断させてください」と言ってくる
  3. 「今すぐ修理しないと雨漏りの危険性がある」などと不安を煽る

こういった業者は高確率でトラブルを引き起こしますので避けるようにしましょう。

火災保険が適用される事例

どのくらいの破損であれば火災保険が適用されるか」は知識がなければ判断はできないでしょう。
火災保険が適用できる例には以下があります。

スレート屋根が浮いている

屋根がスレート(コロニアル)の場合、屋根材が浮いてしまっているのなら風災の対象となります。

スレートの屋根材が割れている

スレート屋根の素材が割れている場合は保険金を受け取ることができます。一部が欠けているだけで破損として認められます。

板金が浮いている

屋根の頂上部などには「板金」という薄い金属板が取り付けられています。
固定している釘がサビによって破損すると、板金が浮く可能性があります。

放置すると雨漏りに繋がるため早急な修理が必要です。

雨樋が破損・変形している

雨水を地面に逃がすための雨樋が破損している場合は、火災保険が適用できることが多いです。
雨樋が破損や変形をしていないか工事前に確認してみましょう。

積雪による損傷

積雪地帯では雪の重みによって屋根や雨樋が破損することは珍しくありません。
雪による破損であれば火災保険を適用することができます。

※上記の例でも保険会社によっては適用できない可能性がありますのでご注意ください。

火災保険が適用できる破損例は屋根がほとんどです。
自宅の屋根に登ることは非常に危険なため、屋根材の破損状況は業者に確認してもらいましょう。

値引き交渉は思っている以上にリスクが高い

工事費用を安くするために業者と値引き交渉をしようと考える人がいます。
値引き交渉は基本的にオススメできません。

なぜなら、業者が自らの利益を減らしてまで値引きに応じることはほとんど無いからです。

利益を損ねずに価格を抑えるにはどうするか?
答えは「工事の質を落とす」です。

品質を高めるためには必要だが無くても工事ができる工程を抜いたり、塗料のグレードを下げたりします。

抜いてはいけない塗装工程を省略してしまう悪徳業者さえ存在します。
値引き交渉する場合は、工事の質が落ちるリスクがあると理解したうえで行ってください。

外壁の塗り替え時期は築何年が目安になるの?

外壁塗装をする目安は、築10年、あるいは前回のメンテナンスから10年経過したタイミングです。
ただし、塗り替えを判断するには年数よりも劣化状況が重要です。

外壁塗装の目安となる劣化症状には以下があります。

症状 深刻度
カビ 1
変色(色あせ) 1
光沢の低下 1
白亜化(チョーキング) 2
白華(エフロレッセンス) 2
ふくれ(ブリスタリング) 2
割れ(亀裂・クラック) 2~3
はがれ(剥離・ピーリング) 3

深刻度1の症状は放置しても問題はありません。
深刻度2以上の症状が複数の箇所で発生していたら塗装工事を検討しましょう。

カビ

塗料の成分にはカビの栄養分が多く含まれています。
カビは種類が多く対策が難しいため完全に防げる塗料は存在しません。

しかし、カビは塗料の表面に付着しているだけなので見た目が悪い以上の問題はありません。

変色(色あせ)

塗料は年数が経過すると色あせてきます。
塗料によっては黄色や黒っぽさが出てくるでしょう。

見た目は悪いですが塗替えをするほど劣化しているわけではありません。

光沢の低下

塗装直後にあったツヤは年数とともに消えていきます。
汚れやチョーキングによってツヤが消えたように見えることもあるでしょう。

最終的にツヤは消失しますが、見た目以外に大きな問題はありません。

白亜化(チョーキング)

塗料の表面が粉末状になる劣化現象です。指で外壁をさわることで粉がつきます。
この粉末は、塗料に含まれる樹脂成分が、色をつけるための「顔料」と一緒に浮き出たものです。

外壁塗装に利用する「合成樹脂エマルション塗料」に多く見られる現象です。

白華(エフロレッセンス)

セメント系の無機質塗料に発生する劣化現象です。
コンクリートなどから白い粉が漏れている場合は白華が起こっています。

セメントによって生成される水酸化カルシウムが、空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムになることで発生します。

ふくれ(ブリスタリング)

外壁素材や下塗りから塗装が分離してふくらむ劣化現象です。
外壁に塗った塗料が水分を吸収してしまい密着性が失われることで発生します。
金属の外壁では、内部が錆びていた場合でも塗装のふくれが起こるでしょう。

割れ(亀裂・クラック)

イメージ

塗装が部分的に切断される劣化現象です。
塗料が弾力性を失って外壁素材の変化に対応しきれない場合に発生します。

上塗り塗装の表面に起こる軽い症状「ヘヤクラック」から、塗装を貫通した「わに皮割れ」まで5段階の症状があります。

モルタル外壁は素材自体が割れやすいため、クラックが起きやすいです。

はがれ(剥離・ピーリング)

下塗り塗料や外壁の下地から塗装が剥がれる劣化現象です。
直径3mm以下を「小はがれ」、3mmを超えると「大はがれ」と呼びます。

剥がれた部分は塗装の機能を失っています。
はがれが外壁の多くで発生しているのなら早急に塗装工事をしましょう。

外壁塗装工事に適した季節とは?

塗装に適した季節は地域によって変わりますが、春~夏が適していると考えられます。
外壁塗装は以下の条件で行うと欠陥が発生する可能性が高いです。

  • 湿度85%以上(特殊塗料を除いて塗装ができない)
  • 気温35℃以上(塗装時に泡が生まれやすい)
  • 気温5℃以下(乾燥しにくい、塗装が剥がれやすくなる)
  • 潮風が当たる(塩分は塗膜の剥がれを引き起こす)
  • 強風時(汚れが付着しやすい)

最高気温が35℃を超えないような地域では真夏の塗装が最適でしょう。
逆に、最低気温が5℃を下回らない地域では春が向いていると考えられます。

夏に梅雨がある、秋に台風が来る、春に雪が降る地域などはその時期を避けるようにしましょう。

外壁塗装で費用に対する効果が高い塗料はどれ?

現在、外壁塗装に利用する主な塗料には4種類があります。
ウレタン、シリコン、ラジカル、フッ素です。
価格帯と耐用年数の目安は以下のようになっています。

塗料の一覧 1㎡単価の目安 耐用年数
ウレタン塗料 2,200~2,500円 8~10年
シリコン塗料 2,500~2,700円 10~15年
ラジカル塗料 2,600~2,900円 14~16年
フッ素塗料 3,000~3,300円 15~20年

ウレタン塗料

価格が安い一方で耐用年数も短いため、今回のリフォームでは予算が確保できない場合や、短期間で取り壊す予定がある住宅に向いています。
木製の下地との相性がよいため、付帯部塗装で主に利用します。

シリコン塗料

現在の主流塗料です。
価格と耐用年数のバランスがよく、利用実績も豊富なため信頼性が高いです。
どの塗料を選ぶべきか迷ったらシリコンにしておけば間違いありません。

ラジカル塗料

2010年代に登場した新しい種類で、正式には「ラジカル制御形塗料」と呼びます。
シリコン塗料と価格があまり変わらないにもかかわらず耐用年数が長いため、コストパフォーマンスが最もよい塗料と考えられています。

ただし、2019年の時点でラジカル塗料は3商品しか販売されておらず、耐用年数を超えた実績が存在しません。
10年後には主流になることが期待されていますが、新しすぎるためにリスクがある塗料です。

フッ素塗料

耐用年数が長く、価格が高い塗料です。
東京スカイツリーや公共施設などに利用している塗料で、実績も豊富です。
耐用年数が長いため、メンテナンスの手間を省きたい人に向いています。

外壁塗装工事における依頼から完了までの手順

外壁塗装が初めての人でも安心できるよう、工事前から完了後までの流れを紹介します。
各工程における注意点も確認しておきましょう。

1、やりたいことを決める

まずは「どのような工事にしたいかをイメージすること」が重要です。

  • 落ち着いた雰囲気の外壁にしたい
  • 破損部位だけを安く修繕したい
  • メンテナンスの手間を減らしたい

目的によって塗料の種類や工事内容が変わります。
曖昧なイメージしか無いと業者の主張に流されてしまいかねません。

2、予算決定

大まかな予算を決めます。
外壁塗装にかかる費用の相場としては100万円前後です。

住宅の状況に応じて価格は異なるため、細かい予算の決定は業者に見積りを依頼してからとなるでしょう。

少しでも安く工事をしたい場合は、保険会社の火災保険や自治体の助成金が適用できる場合があります。

3、業者選び

外壁塗装工事を行う場合は最低でも3社から見積りを取ると良いでしょう。

見積りを依頼する業者を選ぶ基準としては、以下を参考にしてください。

  • 外壁塗装に強い業者なのか
  • 30年以上の歴史があるか
  •  地域に根ざした業者か
  • 塗装技能士1級を所持した職人が多く在籍しているか

多くの外壁塗装業者はインターネットで自社サイトを公開しています。
検索するだけで創業年などを知ることができるでしょう。

また、見積りを取得して比較する際には、

  • 他社と比べて疑問点は無いか
  • 工事内容が具体的に記載されているか
  • 保障が充実しているか
  • 業者の実績も確認する

などの点に注意すると適切な業者を選びやすくなります。

また最近は一括見積りサイトも人気になっています。

4、契約

業者を決めたら契約を交わします。
契約は必ず書面で行いましょう。
口頭で契約したばかりにトラブルを引き起こす例は多いです。

契約時に確認する書面の例としては、

  • 見積書
  • 請負契約約款
  • 設計図書・仕様書

などがあります。

5、工事中

業者に工事を依頼したから安心というわけではありません。
契約書のとおりに工事が適切に行われているかどうか確認しましょう。
悪質な業者だと工程の一部を省略することがあります。

追加工事が発生した場合は、「工事内容変更合意書」などの書面を改めて作成してください。

口頭での確認だけで追加工事を受け入れてしまうと、完了後に条件が違うといったトラブルが起こる可能性があります。

6、工事後

工事が完了したら業者と一緒に現場を確認しましょう。
最後に、短期間で塗装が剥がれた場合などのアフターケアや、メンテナンスの目安について業者と話し合います。

上記が完了したら、すべての契約書や説明書、保証書、図面を大切に保管しておきましょう。

外壁塗装の工事期間は何日くらいかかるの?

外壁塗装にかかる工期は10日〜20日程度が目安です。
大規模な住宅や複雑な構造物だとさらに日数が必要でしょう。

例として、吹付け塗装による工事期間は以下のようになります。

外壁塗装 工事内容
1日目 足場組み立て
2日目 高圧洗浄
3日目 養生
4日目 下塗り
5日目 中塗り
6日目 上塗り
7日目 付帯部塗装、養生剥がし
8日目 手塗り塗装
9日目 掃除
10日目 手直し

上記に職人の休日や天候不良などが加わるため、実際には15日程度となるでしょう。
屋根やベランダの防水をする場合は2~3日ほど工期が延びます。

続いて、各工事の内容や注意点も解説していきましょう。

足場組み立て

外壁塗装をするために必要な足場を組み立てる作業です。
組み立ての際には金属を打ち鳴らす騒音が発生するため、工事前に日程を近隣住民に伝えなくてはいけません。

足場の組み立ては工事初日で終わることが多いです。

高圧洗浄・養生

外壁の汚れを洗浄する作業です。下地がボロボロになっている場合は補修も行います。
養生とは、塗装しない場所をシートで保護することです。

高圧洗浄時に窓を開けていると室内に水が入り込むため、必ず閉めておきましょう。
高圧洗浄・養生は工事2~3日目で行う作業で、天候に恵まれた際は下塗りまで済ませます。

下塗り・中塗り・上塗り

外壁に塗装をする作業です。
下塗りは、下地と塗料の密着性を高める目的で塗装します。
中塗りと上塗りは塗料に十分な厚みをもたせるために同じ材料を塗ります。

業者によっては中塗りを省略する手抜き工事をすることがあるため、使用後の塗料缶を見せてもらうなどして3回塗りされているかをチェックしておきましょう。

工事4~6日目で行う作業です。

付帯部塗装、養生剥がし

「付帯部」とは外壁や屋根などの細部を指します。「雨樋」「軒天」などがあります。
外壁や屋根とは異なる塗料を塗ることが多いため、付帯部は外壁全体の塗装とは別の日に行うケースが多いです。

塗料が飛散するような作業がほぼ完了したら養生を剥がします。

工事7日目に行う作業です。

手塗り塗装

塗料をスプレーガンで吹き付ける塗装の場合、パイプの裏のような入り組んだ場所は十分に塗ることができません。

そのような部位を手塗りで塗装します。
外壁全体を吹き付けではなく手塗り塗装にした場合は存在しない工程です。

ただし、手塗りのみによる外壁塗装は吹き付けよりも工期が延びやすいです。

工事8日目に行う作業です。

掃除・手直し

足場を解体し、養生を剥がした部分などを掃除したり手直しを行ったりします。
工事9~10日目に行う作業です。

すべての工事が終わったら、車などに塗料が飛散していないか、塗り損ねがないかを確認しておきましょう。

外壁塗装を依頼してから起こり得るトラブルと対処法

業者に外壁塗装を依頼してみたら想定外のトラブルが起こった」という例は珍しくありません。
トラブルの多くは事前に対策ができるため、労力と時間を浪費しないよう注意しておきましょう。

最安値の業者を選んだら追加費用を請求されて高額になった

複数の業者に見積りを依頼して最も安い業者を選ぼうと考える人は多いでしょう。
しかし「相場よりも見積り金額が安いから優良業者」というわけではありません。

トラブル事例で多いものとしては、見積り段階では最安値だったが工事が始まると「新たに工事をする場所ができた」とか「この工事は見積りに含めていないので別料金」などと費用を請求してくるケースです。

この場合、最終的な費用は相場よりも高くなります。
断りたくても、途中で工事を中断するわけにはいかないため支払いに応じるしかなくなります。

対策としては、工事をする場所を見積りの際に書面で確定しておくことです。
業者によっては「追加費用はかかりません」と書面で残してくれる可能性もあります。

口約束だと「そんなことは言っていない」と後から覆されますので気をつけましょう。

塗料を偽装された

見積書の塗料よりも低品質な材料を使う業者がいます。
外壁に塗ると何の塗料を使ったかはプロでも判別が難しいため、塗装後に見抜くことはできません。

たとえ見積りどおりの塗料を使っていても安心はできません。
塗料は缶に入った原液のままだと濃すぎるため、水やシンナーで薄めて使用します。
悪徳業者だと必要以上に塗料を薄めて材料費を節約しようと考えるのです。

対策としては、見積り段階で「どの場所に何の塗料を塗るか」を一覧にしてもらうことです。

「塗料名」「メーカー名」「樹脂名」を記載してもらい、塗装工事の段階になったら塗料缶に書かれた名称などをチェックしてください。

可能なら、使用前の塗料缶をすべて撮影してもらうよう業者に依頼しましょう。
ここまでやれば「知識がある依頼主だ」と業者は判断するため、不正を防止しやすくなります。

塗り回数を偽装された

見積りでは下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りと記載していたのに、実際には2回や1回しか塗らないトラブルです。

塗料の耐用年数を発揮するためには基本的に3回塗りが必要です。
しかし塗装直後の外壁を見たところで2回塗りか3回塗りかを判別することはできないでしょう。

1回や2回塗りだと10年の耐用年数がある塗料でも3年で雨漏りや欠陥が発生しかねません。

3年後に「もう塗装が劣化した」と業者に伝えても「環境によるもので塗装には問題がない」と説明されたら反論ができないでしょう。

対策としては、1回塗装をするごとに写真を撮影してもらうことです。
塗料が白でもない限り、下塗りの色は中塗りや上塗りとは異なります。

1回塗るごとに写真撮影をしてもらえば塗り回数をごまかされる心配は少なくなるでしょう。

問題となるのは中塗りと上塗りです。
両者は同じ塗料を使います。そのため色に違いがありません。

2回塗りと3回塗りを見分けるためには、中塗りと上塗りの色を少しだけ変えてもらうとよいでしょう。

色を変えたうえで各工程の写真を撮影してもらうことで、塗り回数を見分けやすくなります。

業者が知識不足で1年後に外壁に黒い跡が浮かんできた

外壁のひび割れや隙間を埋めるゴム状の素材が「コーキング」です。
十分な知識がない業者がコーキングに塗装をすると、補修した部位が黒く変色してミミズ腫れのようになります。
これを「ブリード現象」と呼びます。

業者に相談してみても、知識がないために「自然現象だ」と主張するでしょう。
対策としては、ブリード現象を理解している業者に依頼することが重要です。

知識の有無を確認する方法としては「よその住宅の外壁にミミズのような黒い跡があるのはなぜですか?」と尋ねるとよいでしょう。

知識がある業者ならブリード現象について説明してくれます。

「自然現象です」と答える業者だったら失敗する可能性が高いため依頼することは避けましょう。

付帯部の塗装がいい加減だった

雨樋や破風など付帯部の塗装を手抜きで行う業者がいます。
付帯部は面積が小さい割に木製や金属製が多く、手間がかかります。

依頼主も注目しにくい場所なので、業者に工程を省略されることがあります。
しかし、付帯部は外壁よりも劣化しやすい塗料を使うため手を抜けばすぐにボロボロになってしまいます。

対策としては、見積り時に業者にそれとなく確認することです。

  • 付帯部は見積りに含まれているのか
  • 雨樋はどのように塗るのか
  • 塗る塗料は何か
  • 木部は何回塗りなのか

試しに上記を尋ねてみましょう。
具体的に説明できない業者は依頼を避けたほうが無難です。

外壁塗装後に他の業者から「塗装したせいで屋根が変形しています」と言われた

外壁塗装工事が終わって一安心と思いきや、別の業者が訪問してきて「塗装のせいで屋根が変形しています」と言われることがあります。

この場合、訪問してきた業者が悪徳業者の可能性が高いので注意してください。
悪徳業者は、リフォーム直後のあなたの家を見て「あの家はリフォームをする資金的余裕がある」と考えます。

業者は不安を煽る発言をして工事の依頼を受けようとしていますので、無視しましょう。
「せっかくだから無料診断してもらおう」と考えてはいけません。無料診断を装って屋根や外壁に傷をつける可能性があります。

見えにくい場所の塗装がされていなかった

悪徳業者の場合、依頼主が確認できない場所を塗らないことがあります。
特に屋根は、足場やハシゴがなければ確認ができません。

職人の態度などから「本当に塗っているのか?」と疑問に思ったら、見えにくい部分を確認してみましょう。

自分でチェックすることが難しい屋根などは他の業者に調査を依頼して写真を見せてもらうとよいでしょう。

外壁の色がイメージと違った

外壁の色を決める際に注意点があります。
コンピューターによるカラーシミュレーションは、現実の塗料とは色が違うという点です。

外壁の色を決めるうえで、住宅のイメージにカラーを当てはめるシミュレーションは有用です。

しかしカラーシミュレーションはあくまで住宅のイメージを決めるだけにとどめておきましょう。

シミュレーションの他にも、色サンプルを見てカラーを決めることもあるでしょう。
色は、塗ってある面積によって印象が変わります。

面積が大きい外壁に塗る場合は小さなサンプル表よりも明るく見えます。
サンプル表で色選びをする際は希望よりも暗めのカラーを選ぶとよいでしょう。

外壁塗装で費用を節約するには優良業者の選別が重要!

悪徳業者に依頼してしまうと、どれほど工事費用をかけたとしても数年で剥がれるような塗装をされます。

塗料の種類や予算を決めるよりも重要なのが、優良業者を選ぶことです。
優良業者を見抜くためには塗装専門業者を見抜き、相見積もりを依頼して最適な会社を探さなくてはいけません。

塗装後にトラブルに悩まされないために、業者に依頼する際には、この記事をもう一度読み直して「この業者は悪徳業者の条件に当てはまらないかな?」とチェックしてみましょう。